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激安の殿堂ドン・キホーテの埋め尽くされた商品棚(棚というより壁に近い)はなんだか最近のSNSのようだった。派手なパッケージやポップで飾り立てられ、きらきらした宣伝文句によって選ばれるべき理由を喧伝する彼らは、皮肉にも宣伝それ自体によってみずからが交換可能であることを雄弁に語っていて、だからこそいつまでもドンキから抜け出せないでいる。

でもよくよく考えるとそれはドンキに限った話でもなくて、スーパーマーケットも楽天市場も大差はないし、仮に百貨店ではそれほどかまびすしくないにせよ、結局は店員のトークに宣伝が移っただけなのだろう。つぎつぎと市場に送り出されあふれかえる商品はそれぞれの名前をすっかり失って、少しずつ異なったコードの組み合わせただそれだけによって、壁の一角にかろうじて陣取っている。

5年前の無理してた自分、みてください(バリカンでツーブロックにされているの図) pic.twitter.com/XwgkwpnyJJ— りょー (@Ryo117n) 2019年3月12日

いまや商品があふれかえっているのは小売に限った話でもなく、アニメ、ニュース、広告においても差し迫っているのはまったく同じ事態――もはや剰余価値すら目指さなくなった商品の氾濫と、それによって加速する匿名化、そして生産者も消費者もそれにうんざりしている状況なのである。

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